「♪〜♪〜」



今日はひよちゃんとデートの日。



部屋で着ていく服を決めていると、
母さんが入ってきた。


「あー、あんた!ちょっと
私の頼み聞いて!」

「えー…俺、これから出掛けるんだけど…」

「ね!お願い!!いいでしょ!?」


何故か必死な母さんを前に、
結局、頼みを断りきれなかった。



「で?何?」


俺が尋ねるのと同時に、
部屋のドアが開いた。


「樹里くんっ!」


髪を二つに分けて結った女の子が
胸に飛び込んできた。



「えっ…」


俺は突然のことに動揺した。



「樹里くん、会いたかったぁ…!」


女子はすりすりと頬を擦り寄せてくる。


「えっ、ちょ…!?や、やめて!」


慌てて女の子を引き離す。


「?、どうしたの樹里くん?」


女の子はきょとんとして見つめてくる。



「どうしたの…って、あんた…誰…?」

「えー?!覚えてないの〜!?
昔、よく遊びに来てたじゃない!」


女の子は淡々と話す。


「…っ…?」



俺は無い脳みそをフル回転させてみる。