みんなが俺の進路について
相談に乗ってくれている姿を見て、
じわりと感動の温かみを感じる。


初めから変な意地張らないで、
こんな風に相談すればよかった。


そう思うと、一人で悩んでいた時のことが
なんだか勿体なく思えた。



「…あ、そっか…」


気付いた俺は一人呟く。


(俺、こんな風に誰かの笑顔を見ることが、
とても好きだし、嬉しい……)


「…俺、誰かを笑顔にできるような、
そんな人になりたいな」



俺が言うと、三人は顔を見合わせた。



「少しは道が拓けた、ってことかな」


三橋が頷きながら言う。



「まぁ、まだざっくりだけどね」


俺が答えると、


「まずはざっくりでいいと思うよ!
私もまだざっくり段階だから!」

「そうそう、俺も同じだし」


と、ひよりと樹里も答えた。



「これから、みんなで頑張れば
大丈夫だよ!」

「だな!」

「だね」


三人が手を重ね合わせて俺を見る。



「ほら、梨本兄も。気合入れようよ」

「じゃ、じゃあ…」


そっと俺も手を重ねる。


「みんな一緒に頑張ろーっ!おー!」



みんな、自分の道を歩き始めていく。


たとえ、それがそれぞれ
違う道だったとしても、
離れ離れになったとしても、
この絆は、離れることない絆として
繋がっているんだ。


これからも、ずっと。

きっと……。