「え…」


俺はちらりとひよりを見る。



「あー、そのことだけど」


突然、樹里が口を挟んだ。



「こいつ、それに関してだいぶ前に
もう謝ってるから」


樹里の言葉に、三橋が俺を振り返る。



「……なんだ、だったら早く
そう言ってくれれば良かったのに!」

「三橋の早とちりがいけないんだろ」


樹里が三橋にツッコミを入れる。


「…じゃあ、棗ちゃん、
郁ちゃんのこと、許してあげてくれる?」


ひよりが三橋に尋ねた。


「…あんたたちがそう言うなら、少しは
見直さなくもない、わ…」


どうやら、ひよりたちのおかげで、
少しでも三橋の誤解が解けたようだった。



「じゃあ、改めて…これから、
クラスメイトとして、
よろしくお願いします…」

「…ふん…」


口ではひねくれた返事でも、三橋は
頷いてくれた。


「ところで、真面目な話に戻すけどさ」


三橋が切り出す。



「ひよりたちは進路、どうするの?」


その質問に重石が乗ったように、
胸がぐっと重くなる。