俺は自分達の体勢にハッと気づいて、
慌てて離れた。


「と、とにかく、俺は
悩んでることなんてないから!」


俺はひよりにそれだけ言うと、
ベットから出る。



「あら?もう動いて平気なの?」


保健室の先生が尋ねてきた。


「だいぶ良くなったんで授業戻ります。
ありがとうございました」


ぺこりと一礼して保健室を出て行く。



「ま、待って、郁ちゃん!」


ひよりが後から追いかけてきた。



「…っ、ホントに、無理しないでね?
私、力になりたいから、何でも話して」

「…ん。ありがと」



ひよりの頭を撫でると、俺は歩き出した。



「俺も、ひよりの力になれることが
あるなら、協力させてよ」

「それは、もちろんだよ!」


目をキラキラさせながらひよりが答える。



「ひよりは頼もしいな。
俺が心配する必要なんてないくらいだ」

「? 逆だよ?私の方が、
いつも郁ちゃんを頼っちゃってるもん」