「……」
進路の紙を前に、俺は考え込んでいた。
そろそろ真剣に考え始めないといけない
時期がやってきた。
「…何しようかな……」
したいことも、夢もまだ
はっきりと決まっていない。
これから見つけられるのだろうか……。
「ただいまー」
玄関から樹里の声がした。
「おかえり」
玄関に迎えに出る。
「……あぁ」
少し間があってから、返事が返ってくる。
「……なぁ、樹里」
俺は樹里に話し掛けた。
「何?」
案外、軽い調子の返事が返ってきた。
「あ、のさ…お前って、進路のこと
どこまで考えてる…?」
俺が尋ねると、樹里がニコッと笑った。