それでも君が好きで。





つきん、と胸が痛む。


こんな優しい人を、幼馴染みを、
傷付けられない。


私にはこの人を
傷付けることなんてできない。



「…っ、何でもない…」

「そうか?でも、何かあったら
俺に言えよ。力になるからさ」



温かな大きな手が、私の頭を
ポンポンと撫でる。



「……っ」



幼馴染みって難しい。



どんな距離が正しくて、
どんな言葉が正しいのか…。


それすら分からなくなってきた。



それだけ私は、今までこの関係に
甘えすぎてたのかも知れない。