それでも君が好きで。





『ひよちゃんは幼い頃から互いを
知ってる仲なんだから、
近くにいたって普通だろ?』


樹里くんの言葉を思い出す。



「二人は優しすぎだよ…。
私にはもったいない幼馴染みだな〜」

「そんなの、ひよりだって俺たちには
もったいないよ」

「…え?」

「…俺たちのことを良く知ってくれて、
分かってくれるのはひよりだけだから。
それでもって、そばにいてくれるし。
…嬉しいんだ、そういうの」



郁ちゃんがにこりと笑う。



「…だから、大事に思ってるよ。
もちろん、これからもね」

「…ありがとう…」


私もにこりと笑って答えた。



私も二人のことが、とても大事だ。


他の誰かには代わりなんて
できないぐらい大事だ。


けど、それが周りに
嫌な思いをさせている。


幼馴染みなのに、傍に居ちゃいけない。


そんなような気がして胸が痛む。



「ねぇ、郁ちゃん…」


私は重い口を開いた。


「ん?なに?」


明るい表情で、郁ちゃんは私を見る。