「…ていうか、いつから
私がいるって気付いてたの?」
私はそっと尋ねてみた。
「え?ちょうどあいつと話してたら、
陽の光で影が見えてさ…。
あ、この校舎にいるのって言ったら
ひよちゃんと郁翔しかいないし…」
「!!!!!!!!」
(陽の光でまさかバレてるなんて…!)
「でもまぁ、結果オーライだしさ。
あいつに見せつける事できたし」
「!!…もうっ!」
ポカッと樹里くんを小突く。
「やっぱひよちゃんとするほうが
俺は好きだけどね♪」
「か、からかわないでよー!」
「ごめんって。
機嫌直してくださいよ、お姫様?」
じっと上目遣いで顔を覗き込まれる。
「ひ、姫なんかじゃないわよ!
ていうか、いつまで抱きしめてるの〜!」
「うーん、ずっと♡」
「怒るわよ」
「ごめんなさい」
樹里くんがようやく解放してくれる。
「はぁ…。それより、
待たせちゃったよね?帰ろっか」
私は切り出した。
「うん!」
樹里くんは嬉しそうに私の手を握った。