それでも君が好きで。



樹里は一通り俺の話を聞くと黙り込む。
そして、「はぁ…」と溜め息をついた。




「…それで?」

と、冷めた樹里の返事が返ってきた。



(は…?”それで?”って…
本気で言ってんのか…?)



「何で俺にそんな事言うの?」



樹里の冷めきった声が、部屋に響く。



「何でって…お前なら何か
知ってるかと思って…」

「俺が連絡取り合ってるかもって?
持ってても俺、ひよちゃんに
嫌われてんだよ?」

「そんなことない。ひよりは─…」




『ひよりは優しい子だから、
樹里を嫌うわけなんてない』

そう言おうとした時、



「気休めの言葉ならいらないから」


と、遮るように樹里が
今度は低い声で言った。



(こいつは…樹里は、
ひよりが心配じゃないのか…?)



「…お前って、そんな奴だったんだな」


俺は拳をぐっと握った。