それでも君が好きで。




「まだ分かんないけど…。
なんとなく、嫌な予感がしてるからさ…」

「…ふーん。道理であの子、
怪しいと思ってたのよね。
あんたも惑わされんじゃないわよ」

「分かってるよ。てゆーか、
あいつに揺らぐとかありえないから」

「その言葉、そのまま
信じさせてもらうからね」

「うん!」

「その意思があるなら、大丈夫そうね…」



三橋が何か呟く。



「ん?何か言った?」

「何でもないわよ」

「そう?おい、八尋!
そろそろひよちゃんから
離れてくんないかな??」

「えー!今いいとこなのにぃ~」



八尋はブツブツ言いながらも
ひよちゃんから離れた。



「もうすぐ昼休憩終わるし、そろそろ
教室戻ろっか」


俺が促すと、ひよちゃんは
弁当を片し始めた。


「あ、俺も手伝うよ」


俺もそれを手伝う。


「ん」


包みにくるんだ弁当箱を
ひよちゃんに手渡すと、


「ありがと」


と、ひよちゃんは笑顔で受け取る。