「え゙…っ…」
俺の不安が表情に出たのを
読み取ったのか、
「…なんてね。嘘ですよ♪」
にやり、と意地悪そうな笑みを浮かべて
彼女が笑う。
「え、う、嘘…?
よ、良かったぁ…!」
ホッと胸をなでおろす。
「嘘に決まってるでしょ。
…ちゃんと好きなんだからっ……」
「…!」
俺は嬉しさのあまり彼女に抱きつく。
「もー!大好き!」
「ちょ、いきなり抱きつかないでよっ」
「そこは、大好き!って言ってくれる
ところでしょー?」
「! も、もう言わないもん!」
「いーや!そこは大事ですよ!
"大"が付くか付かないかで、
気持ちの大きさは変わるよ!」
「…でも、好きには変わりないと思うよ」
彼女がきゅっと俺の手を握ってきた。
「それとも、樹里くんは
好きって気持ちだけじゃダメ…?」
「…俺は……ひよちゃんのことは
好きって言うより、愛してるって
ことの方に近い、かな…」
俺がそう言うと、彼女の顔が
真っ赤になる。
「じゅ、樹里くんって時々なんかズルイ…」
彼女はぷくっと赤くなった頬を
膨らませながら言った。
「えっ、ずるい!?」
