振り返ると、そこには樹里くんがいた。
その腕にはぐったりした結城さんが
抱えられていた。
「…!? ゆ、結城さん…!?」
私は慌てて駆け寄る。
「教室に郁翔いたか?!」
早口で彼が私に尋ねた。
「い、いたけど…」
「なら、連絡して!
結城が倒れたって…!」
ものすごい勢いで言われた私は、
気圧されながらも
郁ちゃんに電話をかける。
『…はい』
3コール目で郁ちゃんが出た。
「い、郁ちゃん!
結城さんが…倒れちゃったみたいで…」
『碧海が!?今どこにいるんだ!?』
「今、保健室に向かってる!」
『分かった!』
電話を切ると、私達は
慌てて保健室に駆け込んだ。
「…先生、いないみたいだけど…。
とりあえず寝かせた方が…」
私が言い切るまでに、樹里くんは
結城さんをベッドに横たわらせた。
「…今、薬持ってなかったみたいでさ…。
途中でこいつ気失ったから、
俺もパニックになっちまって…」
「そうなんだ…」
ものの数分もしないうちに
郁ちゃんが保健室にやって来た。
「碧海の様子は…!?」
郁ちゃんは慌てて結城さんに駆け寄る。
