それでも君が好きで。



走って家に着いて、着替えると
ひよりに電話をかけてみる。


『…おかけになった電話は現在、
電波の届かないところにいるか─……』


と、アナウンスが聞こえてきた。



「あれ…出ない…?」



いつもならすぐ出るのに…。



家には帰ってきてるのか…?



俺は不安になってひよりの家を訪ねた。


インターホンを鳴らすと、
ひよりのお母さんが出てきた。



「あら、いらっしゃい。
どうしたの?そんなに息切らして…」

「あのっ、ひよりいますか…?」

「え?ひよりなら、
まだ帰ってないわよ?」

「え…?」



胸の奥がざわついた。


「ひよりから何の連絡もないから、
ひよりが今、何してるか
私にも分からなくてねー…」



おばさんが少し不安そうに言う。



「…そ…うですか…」



俺は胸の奥の不安を拭い去れないまま
ひよりの家を後にした。