いつもの苦手な朝がやってきた。

もっそりと起き上がり、渋々ベッドから降りて着替える。

まだ頭がぼーっとしていて、はっきりしてない。


「ふぁあ…ねむ……」

まだ残る眠さに大きなあくびを一つしてから、ハッと気付いた。


「はっ…!こんなあくびしてる場合じゃない!今何時?!」

時計を見れば、時刻は既にいつもの時間を大幅に過ぎている。

このままでは遅刻コースだ。


「やばい、(いく)ちゃんに怒られる…!」

バタバタと急いで着替えを済ませ、一階に降りていく。


郁ちゃんというのは、お隣に住んでる私の幼なじみ・郁翔(いくと)のこと。

ちなみに「郁ちゃん」と呼べるのは私だけ。