それでも君が好きで。



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「……おい!手ぇ放せよ!」


俺は先へとグイグイ引っ張る
結城に怒鳴った。



「俺はひよちゃんを
探さなきゃならねぇんだよ!」


引っ張られるうちに、外へ出た。
途端、結城が俺を振り返る。



「な、なんだよ…」


結城が急にしゃがみこんだ。



「…う…っ…」

「!」


彼女の顔が青ざめていた。



「おい、薬飲めよ!」


慌てて彼女に駆け寄ると、
彼女が俺の腕を掴んだ。



「…!?」

「…引っ掛かったわね」



顔を上げた結城がにやりとする。




「! お前、からかっ──」


突然シャツの襟がぐいっと引かれた。