それでも君が好きで。





─── 一方、その頃。



「バァッ!!!!!」

「きゃああああ!!!!!」



樹里と八尋からはぐれたひよりが、
お化けに驚かされていた。



「も、もうやだ……ここどこぉ…っ」



お化けに驚かされているうちに、
ひよりは自分でもどこを歩いているのか
分からなくなるぐらい、
パニックになっていた。



「樹里く…ん…こわいよ…」


ひよりはしゃがみこんだ。



「っ…ぐす…っ…」



ただのアトラクションの一つなのに、
一人ぼっちになって、余計不安が増えた。



「もう…やだぁ…」



ひよりがぐずっているところに、
誰かがやって来る。



ひた、ひた…と足音がひよりに迫る。



「…っひ…っ…!」



足音の主がひよりの腕を掴んだ。




「い…いやぁああッッッッ!!!!」