それでも君が好きで。




安心したのも束の間、
ナース服を着た幽霊がバン!と出てきた。



「わぁあああッッッッ!?!?」
「きゃああああッッッッ!!!!!」


八尋とひよちゃんが同時に叫ぶ。



「大丈夫?!」


持っているライトを二人に向けると、
二人は涙目になりながら
こちらを見ていた。



「な、梨本ぉ…頼むから置いてくなよ…!」

「置いていかないから、早く来いよ…」

「なんで梨本は平気なんだよぉお〜(涙)」

「こんなもん怖くねーだろ、
作りモンだし」

「うぅぅ……私ムリ……」

「ほら、グダグダ言ってないで
進まないと出られねーぞ?
それに後ろから次の客も来るだろうし」



めそめそと泣きながら愚痴をこぼす
二人を後ろに、俺は先へと足を進める。




…………



……………………。





数分後にはなんだか、後ろがやけに
静かになった気がする。