「八尋、お前…よくあんなのと
長く付き合えるな…ちょっと尊敬するわ…」


俺はポンと八尋の肩に手を置いた。



「なんで?棗、可愛いじゃん」


何が意外なのかと言いたげな顔で
八尋が振り返る。


「…はぁ。お前に言った
俺が馬鹿だったよ…」

「そういやさ、お前。
なんで綾瀬さんと付き合ってないの?」


八尋が尋ねる。


「…ひよちゃんとは、
真面目に向き合いたいから」


俺は空を仰ぎながら答えた。


「でも、あのアヤちゃんのこと
フッたって聞いたけど?
それも綾瀬さんのため?」

「そうだよ」

「へぇ、どんな風の吹き回しなのかは
さて置き、急にチャラかった君がねぇ…へぇー」


にやにやと俺を見ながら一人で、
八尋が納得する。


「あんまニヤつくならどつくぞ」

「ごめんって、そんな怒んなって~」

「ふったりともー!置いていくぞー?」


向こうで三橋がひよちゃんと待っている。



「女王様がお呼びだぞ。ほら、行くぞ」

「へいへい」