それでも君が好きで。




「は?怖い?誰が?そんな訳ないでしょ。
あたしが怖いのは、爺さんの雷だけ」


三橋がドヤ顔で答えた。


(言い訳ってことは怖いんだ…)



俺はひよちゃんに視線を移した。


「? 私、お化け屋敷行きたいな」


ひよちゃんが答える。


「じゃあ、三橋だけ外で待ってるか?」

「良くってよ。帰ってきたあんたたちの
ヒーヒー言う顔を
しっかり拝んでやるわ!」


三橋は何故かやる気ありげに答える。



(要は三橋はお化け屋敷に
行きたくないんじゃん…)


そんなことを思いつつも、
列に並ぶことにする。



「ん?あれ?梨本が二人いる」


八尋がポツリと言った。


「あ」


八尋の視線を辿った
俺とひよちゃんの声が重なる。