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「つ、着いた…!」
私は初めて来るこの場所に
ワクワクが止まらない。
「着くなりハイテンションだねぇ」
棗ちゃんが私の頭を撫でた。
「だってこんなとこ、
滅多に来れないもん!」
私は目の前に広がる光景を前にして、
叫んだ。
「あんま飛び出さないでね。はぐれる」
樹里くんが私の手を掴んだ。
「あ、うん…気を付けるね」
私は笑顔で答えて、その手を握り返した。
「じゃ、先生の話も終わったし行こうか」
樹里くんが私の手を引いた。
「……」
私はその手に、込み上げる嬉しさを
感じた。
「まず何に乗りたい?」
「樹里くんの好きなものでいいよ!」
「それじゃデートにならないよ」
樹里くんが困ったように笑いながら言う。