それでも君が好きで。




「うっさい、離れろ橘!」


棗ちゃんは男の子を
引き離しながら言った。


「…あ、あの、その男の子は?」

私が尋ねると、


「ん?あぁ、このバカ男?」


と、棗ちゃんが答えた。


「バカ男ってひどいなぁ~!
俺たちは将来を誓い合った仲、でしょ?」



男の子が私と樹里くんの前に進み出た。


「どーも、初めまして!棗の彼氏の
八尋 橘(やひろ たちばな)です!」

「か、彼氏!?」


私はそれ以上言葉が出てこなかった。



「八尋が彼氏だったとか…意外」


隣で樹里くんが呟く。



「えっ、樹里くん、知り合いなの!?」

「あ、知り合いっていうか、コイツの事
知らない同学年なんていないよ。
八尋は結構フレンドリーな奴として
人気者だし。まぁ、話したのは
これが初めてだけど」

「へ、へぇ…そんなすごい人と
付き合ってたんだ、棗ちゃん…」

「それにしても、棗が綾瀬さんと
友達ってマジだったんだ♪
噂通り、かーわいーね♡」



棗ちゃんが八尋くんの頭を叩く。