それでも君が好きで。




「…なんかひよ、変わったね」

棗ちゃんが言った。



「もちろんいい意味で。
昨日より、凄くいい目してる」



棗ちゃんの言葉に、
なんだか心が軽くなった気がした。



「なっつめー!ちょっとこっち来てー!」


棗ちゃんがクラスメイトの
女子に呼ばれる。



「あーい。ごめん、ちょっと行ってくる」

「行ってらっしゃい」



棗ちゃんの背中を見送ると、
樹里くんが近くにやってきた。



「…あのさ。明日、デートしない?」



こっそりと樹里くんが耳打ちする。



「でっ…!?」


私は少し後退る。



「せっかくだし、この際デート気分
味わってみたいなって思ってて…。
あ、別に深く考えないで、フツーに
遊ぶような感覚でいいんだよ?」


樹里くんがじっと私を見る。



「ダメ…かな?」



少し上目遣いに見られているせいか、
なんだかドキドキする。



「わ、分かった……」



私は真っ赤になる顔を俯かせた。



「じゃ、決定ね」


樹里くんがくしゃくしゃと
私の頭を撫でた。