「なっ、何言ってんだよ!
で、デートなんかじゃねぇよ…っ!」
樹里くんが耳まで赤くなる。
「まぁた赤くなるところも
怪しいですなぁ~♪」
棗ちゃんが楽しそうにつんつんと
樹里くんの腕をつつく。
「まだ付き合ってねぇよ!」
樹里くんが言うと、
棗ちゃんの動きが止まった。
「……おい、どういうことだこの野郎」
棗ちゃんがいきなり
樹里くんの襟首を掴んだ。
「ちょ、棗ちゃん…っ!
今まだ会議の途中だよ??」
「ひよは黙ってなさい」
ぴしゃりと言われ、言葉が出てこない。
いくら会議中でクラスが騒がしくても、
こんな先生に見えるかもしれない
行動なんて取るものじゃないと思う。
「なんで付き合ってないのよ!」
棗は小声で樹里に言う。
「まだそんな段階じゃないからだよ」
「そんなこと言って、他の奴に
取られても知らないよ!?」
「あのなぁ、簡単に言うけど、
俺はそんな簡単に関わって
いきたくないんだよ」
樹里は真剣な顔で答えた。
