お昼が終わって、流れるように午後の授業も終わり、放課後がやってきた。

みんなそれぞれの行動に出ていく中、私も帰る準備を始める。


「あ。ねぇ、郁ちゃん」

私は一緒に帰ろうと思い、隣にいる郁ちゃんに話しかけた。


「ごめん、ひより。俺、今日は先に帰るね」

「え…」

郁ちゃんは呆然と立ち尽くす私を置いて、教室を飛び出していった。

いつもなら、私の早い遅い関係なしに待っててくれたのに…。


郁ちゃんが教室を出てすぐ、廊下からはしゃぐ男子の声が聞こえた。


(…何?)

そろっと教室から顔を出して廊下を窺う。


「なぁなぁ!あそこにいる女の子超可愛くね!?!?」
「あれってすぐ近くの女子校の制服じゃん!」


(女子校生徒…?なんでこんなとこに…?)