ひょこっと声のする方を覗いてみる。
「…!」
そこにあったのは、泣いている
ひよちゃんと、そのひよちゃんを
抱き締めている郁翔の姿が。
「…な…っ」
俺はその光景に言葉をなくす。
心の中の何もかもが、
崩れ去っていくような気がした。
「……っ」
ギュッと痛む胸に手を当てると、
掌に爪が食い込むほどに
その手を握りしめた。
この光景を目にすれば結局、最後は
郁翔なのではないかと悟ってしまう。
まだそうだと、分かってもないし、
決まってもいない。
けど、嫌でもそう考えてしまった。
そして何より、二人を引き離すことが
できなかった自分が一番悔しかった。
覗かせた頭を引っ込めて、
壁側に隠れてしゃがみ込む。
分かってたことだけど、
思った以上のショックが俺を襲う。
……ぱたっ。
俺の頬を伝って、何かが落ちた。
