それでも君が好きで。



「…そう…なんでそんなに嫌われてるのか
分かんないけど、私は
樹里くんって呼ぶわ」



結城が答えた。



「…ほんと最低な奴だよな、お前。
郁翔の優しさにつけこんで、
郁翔を縛り付けて…。
おまけに、郁翔との関係を
ひよちゃんに見せつけたいんだろ」



俺の言葉が気に障ったのか、
結城が怒ったような顔で俺を見た。



「それに、郁翔の気持ちがひよちゃんに
向いていると勘違いして、
挙げ句に身体が弱いなん──」



「違うわよっ!!」



俺が言いかけた途端、
結城の怒鳴り声がそれを遮った。



「…っ違うわよ…。
病気だって、嘘じゃないわ!
ただ、あの子に郁くんの邪魔を
しないで欲しかっただけよ!」

「…やっぱりね。
身体が弱いのが嘘じゃなかったとして、
見せつけたかったのはホントなんだ?」

「!」


結城が目を見開く。



「…ずっと好きだったんだから、
しょうがないじゃない!」

「そういう性格が嫌いだって
言ってんだよ」



俺は間髪を容れずに言った。



「そういうワガママで嫌味な性格の奴、
俺、マジで嫌いだから」

「……っ。あ、綾瀬さんだって、こんな
性格かもしれないかもよ?」