それでも君が好きで。




「…ま、でも。俺はもうそんなことで、
ひよちゃんを悩ませたりしないけどね」


棗ちゃんがいる前で、
樹里くんが私の手を繋いだ。



「あっれー?二人はそんな関係なわけ?」


棗ちゃんがニヤニヤしながら言った。



「まだだよ。けど、今のうちに
アタックしとかなきゃ、でしょ?」



樹里くんは自信有り気に答えた。



「~~っ……」



私はいたたまれなくなって俯いた。




ちょっと樹里くんが積極的なことに
私は戸惑いながらも、
彼の真の優しさを心の中で褒めていた。




幼い頃に比べたら、今は
見直せる点が出てきているし、
今の樹里くんも正直、悪くないって
思えてきている自分もいる。




「あ、ジュースおごって♪」


樹里くんがへらっと私に言った。



(このいい加減な性格がなくなればの
話だけど………やっぱり、さっきの
内心の言葉、訂正しようかな…!?)





「調子に乗るな、アホ」


棗ちゃんが樹里くんの後頭部を
カバンで叩いた。



「いてっ!?ちょ、おねーさん!?」

「ばぁーか。いいとこ見せたいんなら、
そんな余計な性格捨てなよ」

「捨てろって…ひどくない!?」


樹里くんが私を振り返った。



「ま、まぁ、樹里くんのその…
”腹立つ”性格は確かにいらないかな…」


私は答えた。



「ひよちゃんまで!?」