ー1年後ー



「いってきまーす!」


私は、家を飛び出した。




「よっ」

玄関には樹里くんだけがいた。



「おはよ、樹里くん!」


私は満面の笑みで答えた。



「昨日はよく寝れた?」


樹里くんが尋ねる。



「もちろん!…って、
樹里くん……寝てないでしょ?」


彼の目の下にできたクマを指さす。



「いやー、昨日さゆりちゃんに
遊ばなかったこと怒られてさー…」



私はジト目で樹里くんを見た。



「…やっぱり最低。遊び人…」



私は樹里くんの横を通り過ぎて
自転車に乗ると、走り出した。




「あっ、待ってよ!」