「…っ…私…っ……ちゃんと
笑えてたかなぁ…っ…?」

「笑ってたよ」

「涙も…っ…流してなかった…っ??」

「大丈夫」


ひよちゃんが俺にしがみつくように
抱きついた。



「明日から…笑えるかなぁ…っ…?」

「笑えるよ。ひよちゃんなら、大丈夫」



俺はひよちゃんの髪に、
小さくキスを落とす。



「ふ…ぇえ…っ…」



ひよちゃんはしばらく、
涙が枯れるほど俺の胸で泣き続けた。





……恋は人を成長させていく。



それも、急速に。

確実に。




目も追いつかないほどの速さで、
きっと彼女は成長していくだろう。




そして、俺もまた
彼女に恋をし続けていく。




それがたとえ
報われない恋だとしても。




俺は何度でも彼女に
恋をしていくことだろう…。