「変なものって、俺のこと?」
樹里が鼻で笑いながら尋ねた。
「……そうだよ」
「へー。よりにも自分の双子の弟を
変なもの呼ばわりだなんてさ、
ひどすぎでしょ」
樹里が肩を竦めながら言った。
「お前はただでさえチャラいし、
女に見境ないだろ」
「一緒に遊んでるのはみんな友達だって
随分前から言ってるけど?」
「信用ないな」
俺はまだ不満を言いたそうな
樹里の横を通り過ぎて、
花束をひよりにそっと渡した。
「え…?」
ひよりが俺を見上げる。
「これ、お見舞い。遅くなってごめん」
俺はにこりと笑った。
「あ…ありがとう…」
ひよりはゆっくりと
花束を受け取ってくれた。
