「誰かとってー!!」 目の前で涙目になりながら誰かに助けを求める…倉永琉唯。 …誰か取ってやれよ。 そう思った瞬間には、オレの足はアイツの元へ向かっていた。 「ちょっと動かないで。」 「―…は!?誰よアンタ!!」 「黙らないと取ってあげないよ?」 オレの一声に、女子の動きがぴたりと止まった。 クモは、女子の髪の上で動きを止めていた。 女子の細くて柔らかい髪にそっと手を伸ばす。