キーンコーンカーンコーン。


一時間目の始まりを告げるチャイムが聞こえてきた。


「美音。落ち込んでたって何も起きないよ?一回、ゆっくり話してみたら?」


莢が呆れたように言う。


話して、別れましょうって言われるのが怖い…。


「あたし、授業戻るけど。美音はどうする?」


「…サボるわ…」


「そう。テスト前に泣いてあたしのところには来ないでね」


莢がにこっと笑った。


みこもぎこちなく返す。


莢は屋上から出ていった。