みこは返す言葉がなく、俯いた。


莢がひょこっと顔を覗き込んでくる。


「サボろっか」


莢にはお見通しか…。



屋上の重い鉄の扉を開ける。


ほんとに空が近いな。


「で、何があったの?」


莢はフェンスを通して、遠くを見ながら聞いてきた。


「…彼氏とうまくいってないの…」


「美音からそんな話題が出てくるなんて。本当に今の彼氏が大切なんだ…」


莢は関心したように呟く。