お姫様はふたり

必死に平静を装い、名前を言う。


私は動揺しまくりなのに、羽崎くんは普通だ。


もう疑問しかない。


「美音とお姉さんは二卵性双子なんだ…」


「う、うん。そうなの」


「雰囲気は似てるね」


羽崎くんは優しい笑みを美音に向けている。


やめて。


そんな顔しないで。


私が辛くなる。


胸がギューと押し潰されそう。