「ないない!!それはない!!私そんな男の子を落とすようなモテクなんて持ってないし。第一、妹の彼氏に手なんて出さないから!!」


「そう?」


莢が妖艶に微笑む。


その笑顔、男子が見たら惚れちゃうよー。


「うん。ないない!!」


私は笑いながら言う。


「あ、真琴。合奏はいいの?」


……………合奏…。


私の記憶から抹消されかけていたものが生き返った。


「わ!!やば!!じゃ行くね!!」


私はフルートを抱え、屋上から出た。