「…大丈夫?ケガない?」


その人が私の顔を覗き込みながら聞いてくる。


そのとき初めてその人の顔を見た。


…わぁ、イケメンだぁ。


「…あ、大丈夫です…。助けてくれて、ありがとうございました!!」


私は勢いよく頭を下げた。


「いいよ、いいよ。気を付けて帰ってね。じゃあ…」


去ろうとする彼の腕を掴んだのは紛れもなく私。


「お礼したいんですけど…。ダメですか?」