「…まーちゃん、ごめんね。突然押し掛けちゃって。病み上がりなのに…」


「全然。美音は大切な妹だし。お見舞い中々来なくて寂しかったんだぞ」


まーちゃんがプクーと頬を膨らました。


可愛い…。


「…学校、サボってきちゃったから、戻るね。…お大事に…」


「うん。バイバイ」


まーちゃんは軽く微笑み、手を振り返してくれた。


みこは病室を出た。


まーちゃん、元気そうでよかった…。


また一緒に登校できるよね…?


まーちゃんが吹くフルートも聞けるよね…?


一緒にソリできるよね…?


みこは姉の一瞬見せた歪めた顔を完璧に忘れていた。


このときまーちゃんを止められたのはみこだけだったのに。