(美音)


トントン。


「はぁーい。どーぞー」


大好きだった柔らかい声。


ふわふわした話し方。


入るのを一瞬ためらった。


逃げちゃダメ…。


ガラッ。


みこは勢いよく扉を開けた。


まーちゃんはベットに横たわりながら、本を読んでいた。


「み、こと…?」


みこを見ると、目を真ん丸に見開いた。


「…まーちゃん…」


「…来てくれないかと思った…」


まーちゃんはにこっと微笑む。