車の轟音。


1回転した道路の映像。


そして血まみれの圭くん…。


圭くん…!?


「ねぇ!!私と一緒にいた子は!?無事なの!?」


母が目を伏せた。


莢が困惑の表情を浮かべる。


「知ってるなら言ってよ!!」


「…生死の境を彷徨ってる…。彼、あなたを庇うように倒れたみたいで…」


母が言いづらそうに言う。


頭が真っ白になった。


どうして…?


背中を押されたのは私なのに…。


私しか事故に遭わないはずだったのに。


私を庇ったがゆえに…。


「真琴…。彼は今すごく頑張っていると思う。真琴も自分を責めるんじゃなくて彼と一緒に頑張ろう」