「美音…。ごめんね…」


「謝ってすむような話じゃないの!!人の彼氏に色目使われて、許すような女がいる!?」


「ごめんなさい…」


まーちゃんの声はすごく弱々しい。


もしかしたら今日、初めて姉妹喧嘩で泣かせてしまうかもしれない。


でも、みこは悪くない。


原因を作ったのも、悪いことをしたのもまーちゃん。


「まーちゃんがどんなに圭を好きでも、みこの気持ちは変わらないし、別れる気なんて全くないから」


まーちゃんが顔を上げる。


その頬は濡れてはいなかった。


泣きそうな顔すらしていない。