(美音)


みことまーちゃんは屋上にいる。


風がまーちゃんの栗色の髪を揺らす。


お互いが顔を見ようとしない。


まだ目すら合っていない。


「話って何?美音」


まーちゃんはいつものふわふわした声で言う。


分かってるくせに。


何、知らないふりしてるの。


「圭のこと…。好きなんでしょ?隠さないで言ってよ!!」


まーちゃんが初めてみこの顔を真っ直ぐに見た。


「うん。好きだよ」