あれから、全然野川が触れてこない。喋りかけてはくるが、それもなんかぎこちない。


あたしは、………触れて欲しいのに。




「あ、ねぇねぇ早瀬、あのさぁ、」


この声は、野川。

今はいつもの、あたしが野川に告白した場所にいる。


不自然に触れてこないと、なんかすごいイライラしてくる。

そのことをいち早く察した野川は、お、怒ってる……?と身を縮こませながら聞いてくる。

「怒ってねぇよ」

いや、本当は怒っている。

察して欲しい。

手を繋ぎたい。

抱き締めてもらいたい。

キスしたい。


「でさぁ!せんせーが「野川」


能天気にあたしに話しかけてくる野川に被せて名前を呼ぶ。

野川はえ、とも言う暇もなく、あたしは座ったままの野川を壁に押し当てる。