誰よりも



また、早瀬に撫でられた。
背が高い人にとって、頭を撫でられることはとてもときめく。……はず。

ドキン、ドキン、と心臓の音が大きくなり、早瀬に聞こえていないか心配になる。

「はや、せ」

と声をだし、まるでご主人に甘える犬のように、座りながら早瀬の方に顔を埋める。

腰に手を回し、軽く抱きしめると早瀬の片手は俺の頭をくしゃくしゃ撫で回し、
もう片方は俺を抱きしめ返した。


早瀬、早く俺を、

_______好きになってよ……


「………っ、早瀬っ、早瀬っ……」

一生懸命早瀬の名前を言いながら、俺は頭を早瀬の肩になすりつける。

「野川」

今度は早瀬が俺の名前を呼ぶ。
そして俺は誘われる様に早瀬に唇を合わせた。