誰よりも




___ここは、体育館のすぐそばの教室。広さもそこそこ広いし、綺麗だ。
この教室が使われていないのは疑問だが、今はすこし助かった。

「………おー、この教室は使えるね!!これからここで食べようよ」

「おー、そうだな」

「んえっ!いいの!?」

「は? 別にいいけど」

「よっしゃあ〜」

意味不明なことを叫びながらその教室に入って行った。時々あいつはなんか変だ。

そして2人で弁当を食べ始める。本当は話があるから誘ったのだが、なかなか言い出せない。


「………野川、」

なんとか勇気を振り絞り、野川を呼ぶ。
いつからあたしはこんなになってしまったのか……

「ん〜?なに?早瀬」

「野川、この前のことで、別に触っちゃダメなことないんだからな。」

「……え?」

「、だからっ、別に触れても良いんだぞ……?」

「……え、え、でも」

少し戸惑った様子で野川が目を逸らす。
それと同時にあたしも目を逸らす。


______っくそ、これじゃ、あたしが触ってほしいみたいじゃないか……!

さっき自分で言ったことを後悔しながら自分の顔が赤くなるのがわかる。
また、野川の顔も赤く染まっていた。


「っ、取り敢えずっ!これからは普通に接しろよ……?」

「う、うんっ!やった!これからは普通にする!」

「………おぅ」

と野川が笑顔で言うため、また自然と手が動き、

野川の頭に手を置いていた。