誰よりも



ぞろぞろと男が入ってくる。 誰だこいつら。

あたしには関係ない、と弁当の方を再び向くと、声が掛けられる。

「なあ、今から俺らここ使うからでて行けよ」

………でて行けよって…

「それが人に物を頼む態度かぁっ!」

なぜか知らないけどイラッときて、思わず怒鳴る。次の瞬間、屋上は静まり帰るが、その男達によって掻き消された。

「あ”?」

1人の、1番前に居た男が声を出す。

「せめてでて行って下さい、だろぉっ!」

そう怒鳴った瞬間、また屋上のドアが勢いよく開いた音がする。

「は、はは早瀬っ!か、帰ろっ!?」

なぜか慌てた様子で野川があたしの腕を引っ張る。

「…は?なんでだよ、こいつらになにか「そっ、そいつらっ、ふ、不良だからっ…!学校1のっ!だから、帰ろ!?」

このままこの状態が続いても昼の時間が短くなるだけだ。そして、あたしは場所を変えようと思い、舌打ちをしたら野川に引っ張られ、屋上をでていった。

「……、野川、何処で食べんだよ」

「ん〜、俺だけの秘密の場所。」

語尾に♡がつきそうな勢いで、そう言い、しかもウィンクもしだした。

「……キモ」

「ひっどいなぁ!この野川さんのイケ「あと、腕、」

野川が言い終わる前に、そう指摘する。

「………あ、ごめん、ってか、もうついたよ」

そう言い、目の前を見ると、誰もいない、小さな部屋があった。

しかも、物などが置いてあるため、人1人くらいがちょうど良いだろう。

「………どう入れと。」

あたし1人だと普通に入れそうだが、野川は1人で入るにも少しきついだろう。

「ん〜、俺がまず入るでしょ?」

「おぅ。」

「んで、俺の膝の上に早瀬が……ってちょっと!早瀬何処にいくの!?」

「………教室で食べる」

こんな部屋に野川と入るくらいなら教室で1人で食べた方が断然マシだ。