誰よりも



そう言った瞬間、部屋のドアは開いた。
あたしと、その知らない誰かがドアの方を見る。

「………っ、先生。」

あたしがそう呟くと、

「お前等どうしたんだ。誰にやられた?」

という返事が返ってくる。確か名前は、林だった筈だ。

「っ、林です…っ」

あたしが答える前に、隣にいた男子が泣きながら答えた。
____こいつも、同じ奴にやられたのか。

「………わかった」

先生はそう短く返事をし、部屋から出て行った。


*


家へ帰ると、いや、家のドアを開けようとすると、近所の人がお母さんに向かって、何かを言っている。

そしてその隣には、ボブの髪に、可愛らしい服を着た、女の子が立っていた。

耳を済ませると、
『お母さん、もう良いって……!やめて…』
という声が聞こえる。でもその母親はやめない。

「チッ……」

あたしは舌打ちをすると、その言い合っている方向へ進みだした。