誰よりも


「早瀬〜!やっほ!早いね!!あ、もしかして野川さんにはやく会いたくt…うっ」

本日2回目の蹴りだ。

「野川…今日、お前のせいで……」

理恵と遊ぶ時間が少なくなった。しかも、野川が昼休みに来てから以来、ずっと理恵は不機嫌だった。


「へっ!?ごめんごめん!お願いだから許してお願いします」

あたしが怒っていることを表情で読み取ったのか、野川は急に謝罪を始めた。

「あれっ?めぐ?」

体育館のドアから見ているのは、華だ。

「……華、もバレー部のマネージャー?」

「そうだよ!めぐもそうだったんだ!」

華もマネージャーなのか……と、華を見ると、頬や、足などにアザがついていることに気がついた。

「……華、そのアザ、どうした。」

「えっ?いや、なんでもない…」

明らかになにかあった顔だ。しかも、自分でつけたんじゃなく、人がつけたアザのようだった。

「……そうか。じゃあ、体育館、戻るか…」

「うん!」

華は一生懸命笑顔をつくっているつもりだろうが、多少ひきつっている。
……この件には触れない方がいいのだろうか。