「理恵、弁当食べよ。早く。」
「う、うん…っていうか、めぐちゃんってパワーいくつ?1〜5で。」
パワー……たしか、5だったはず。
「…………5だと思う。」
「え、」
理恵は目を見開き、固まってしまった。弁当食べないのか。
とりあえず、自分の弁当を食べる。この弁当は自分の手作りだ。
朝、寮で作ってきた。朝練があったため、簡単に済ませたが。
でも、あたしは料理があまり得意ではない。玉子焼きもぐちゃぐちゃ、その他はほとんど冷凍食品だ。
春巻きは得意料理だが。
「…………めぐちゃん、朝のさ、「やぁっほぉ〜早瀬〜理恵ちゃん〜」
言いかけた途端、野川の声が聞こえる。ってか……
「”理恵ちゃん”…?」
あたしはうっかり口に出してしまい、慌てて口を抑える。
「あら!?妬いた!?妬いた!?早瀬、妬いた!?」
「うるせぇ!妬いてねぇ!!」
「えへへ、妬いたんだ〜」
イラッときて、野川を上目遣いで睨みつける。こいつは背が高いからむかつくし、首も疲れる。あたしとこいつでは、身長差が40cmほどある。
「チッ……」