朝練が終わり、今は理恵と一緒にいる。
「………ねぇ、めぐちゃん。」
「なに」
「………えっとさぁ…」
理恵が目を泳がせながら言葉を詰まらせる。
「なんでも言えよ。」
「あの、さ?めぐちゃんと野川君って、仲良いよね……」
「は?」
なんであいつと仲良いみたいになってんだよ。あたしは一方的につきまとわれてるだけだぞ。
「えっとー……その、2人って……付き合ってるの…?」
「え、何処に、誰と」
「え?いや、何処?え?いや、そういう意味では……」
理恵は凄くオドオドして、笑っていない。いつもならずっと常時笑っているのに。
「じゃあ、どういう意味だ?」
あたしは純粋に疑問を理恵にぶつける。
「こ、恋人同士…?」
「は?鯉?魚?鯉人同士…?意味わからん」
「わからないのはめぐちゃんだよ!めぐちゃんは恋愛とかしたことないの!?」
「れんあい……?」
そういえばしたことがない。そもそも理恵以外人と関わることがなかったから。
野川は最初自分で言ってたから多少の危機とか感じとれたり、だいたいわかったけど、高校まで告白すらされたことがなかったのだ。
恋愛とかはしたことがない。