誰よりも



そして、野川と歩いていると、なんか小柄な、と言うか、あたしよりはデカイけど、女の子がウロウロしている。なんだ?迷子?でも、あたしよりはデカイし、寮を探してるのか?

ま、そのままにしておくのもあれだし、声、かけてみるか。

その時に野川の声がしたが、無視だ、無視。


「ちょっと。おい。」


肩をつつくと、ビクッといて、こっちへ振り向いた。

「へっ!?え、えっと……」


「どうしたんだ。ウロウロして。寮?」


「は、はい……」

こいつ、おどおどしててなんかムカつく。

「まあ、とりあえず寮まで行くか。」


「え、うん……」

こいつ、敬語は直ったけど、なんかすげームカつく。なんなんだよ。